「警備員が足りない」を、公的データで検算する
筆者は警備の仕事をしていません。本記事は厚生労働省が公表している統計を確認・整理したものです。 このページに広告は掲載していません(広告掲載方針)。
介護やIT、ドライバーの人手不足は話題になりますが、警備はあまり取り上げられません。
実際の数字を見ると、警備を含む「保安職業従事者」は、当サイトが確認した職業の中で3番目に高い倍率でした。
全職業の1.01倍に対して約5.8倍。求職者1人に対して求人が約5.8件ある計算です。
「人手が足りない」という説明は、この職種では数字と一致します。話題になる職種より高い
- 建設躯体工事従事者 7.85倍
- 土木作業従事者 5.97倍
- 保安職業従事者 5.85倍
- 建築・土木・測量技術者 4.96倍
- 建設・採掘従事者 4.80倍
- 機械整備・修理従事者 3.81倍
- 介護サービス職業従事者 3.70倍
- 医療技術者 2.92倍
- 自動車運転従事者 2.42倍
- 接客・給仕職業従事者 2.30倍
- 社会福祉専門職業従事者 2.28倍
- 飲食物調理従事者 2.19倍
- 営業職業従事者 2.01倍
- 保健師,助産師,看護師 1.86倍
- 製造技術者(開発) 1.81倍
- 情報処理・通信技術者 1.33倍
- 製造技術者(開発を除く) 0.72倍
- 会計事務従事者 0.56倍
- 事務従事者 0.35倍
- 一般事務従事者 0.28倍
- 職業計(全体) 1.01倍
よく話題になる職種と並べると、次のようになります。
| 職業 | 有効求人倍率 |
|---|---|
| 建設躯体工事従事者 | 7.85倍 |
| 保安職業従事者(警備など) | 5.85倍 |
| 介護サービス職業従事者 | 3.70倍 |
| 自動車運転従事者 | 2.42倍 |
介護の3.70倍、ドライバーの2.42倍を上回ります。報道で取り上げられる頻度と、数字の順位は一致していません。
求人数も小さくない
倍率が高い職種の中には求人数が小さいものもありますが、保安は違います。
有効求人は93,473件です。建設躯体工事従事者(19,335件)の約4.8倍あります。
倍率も高く、求人数もあるという組み合わせは、当サイトが確認した中では多くありません。
ただし、この数字が言っていないこと
倍率が高いことは、そのまま良い条件を意味しません。
- 倍率は求人の中身を反映しません。 給与、勤務時間、夜勤や交代制の有無、屋外作業かどうかは含まれていません
- 「保安職業従事者」は警備員だけの区分ではありません。 自衛官、司法警察職員、消防員なども含まれます
- ハローワークの数字です。 民間の求人サイト経由の求人は含まれません
とくに1つ目は重要です。倍率が高い職種は、応募が集まりにくい理由がある場合もあります。 求人が多いこと自体は事実ですが、なぜ多いのかまではこの統計から分かりません。
「人手不足」の職種を比べるときに
当サイトはこれまで、いくつかの職種で同じ検算をしてきました。並べると次のようになります。
同じ「人手不足」でも、水準は6倍近く違います。 全職業の一覧は職業別の有効求人倍率にまとめています。
まとめ
- 保安職業従事者の有効求人倍率は5.85倍。当サイトが確認した中で3番目に高い水準です
- 介護3.70倍、ドライバー2.42倍を上回ります
- 有効求人93,473件と、求人数の規模も小さくありません
- 「人手が足りない」は、この職種では数字と一致します
- ただし倍率は労働条件を表す数字ではなく、区分には自衛官・消防員なども含まれます
数字は令和8年6月分(2026-07-31公表)を、2026-08-13に確認したものです。
出典
- 一般職業紹介状況(令和8年6月分)参考統計表 (2026-08-13 閲覧)
- 一般職業紹介状況(職業安定業務統計) (2026-08-13 閲覧)
最終更新:2026-08-13
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