「ドライバーが足りない」を、公的データで検算する
筆者はドライバー職ではありません。本記事は厚生労働省が公表している統計を確認・整理したものです。 このページに広告は掲載していません(広告掲載方針)。
物流の担い手不足は、ニュースでもよく取り上げられます。実際の需給はどうなっているのか、厚生労働省の統計で確かめました。
2.42倍でした。全職業の1.01倍に対して約2.4倍で、求人のほうが多い状態です。
ただし「足りない職種の代表」かというと、そこまでではありません。
より足りていない職種がいくつもあります
- 建設躯体工事従事者 7.85倍
- 土木作業従事者 5.97倍
- 保安職業従事者 5.85倍
- 建築・土木・測量技術者 4.96倍
- 建設・採掘従事者 4.80倍
- 機械整備・修理従事者 3.81倍
- 介護サービス職業従事者 3.70倍
- 医療技術者 2.92倍
- 自動車運転従事者 2.42倍
- 接客・給仕職業従事者 2.30倍
- 社会福祉専門職業従事者 2.28倍
- 飲食物調理従事者 2.19倍
- 営業職業従事者 2.01倍
- 保健師,助産師,看護師 1.86倍
- 製造技術者(開発) 1.81倍
- 情報処理・通信技術者 1.33倍
- 製造技術者(開発を除く) 0.72倍
- 会計事務従事者 0.56倍
- 事務従事者 0.35倍
- 一般事務従事者 0.28倍
- 職業計(全体) 1.01倍
自動車運転従事者の2.42倍より上に、次の職種が並びます。
- 建設躯体工事従事者:7.85倍
- 保安職業従事者(警備など):5.85倍
- 介護サービス職業従事者:3.70倍
ドライバーは、当サイトが確認した職業の中では中位です。 報道で取り上げられる頻度と、倍率の順位は一致していません。
参考までに、同じく「人手不足」と言われるITエンジニア(情報処理・通信技術者)は1.33倍で、ドライバーのほうが高い水準です。
求人数そのものは大きい
倍率が中位でも、規模は小さくありません。
自動車運転従事者の有効求人は98,721件です。有効求職40,755人に対して、この規模の求人があります。
倍率が高い職種の中には、そもそも求人数が小さいものもあります。たとえば建設躯体工事従事者は7.85倍と高いものの、有効求人は19,335件で、ドライバーの5.1分の1以下です。
「倍率が高い」と「求人が多い」は別の話です。 選択肢の多さを見るなら、倍率だけでなく求人数も一緒に見る必要があります。
この検算の限界
- ハローワークの数字です。 民間の求人サイトや紹介サービス経由の求人は含まれません
- 「自動車運転従事者」はトラック・バス・タクシーなどをまとめた区分です。 車種や業態ごとの需給は分かりません
- 倍率は求人の中身を反映しません。 労働時間、給与、必要な免許の種類は含まれていません
- 月次の断面です。 この記事は令和8年6月分の数字です
特に3つ目は、この職種では重要です。倍率が高いことは「入りやすさ」を示しますが、「働きやすさ」とは別です。 労働環境の実態は、この統計からは読み取れません。
転職サービス側のデータ
ドライバー向けの人材紹介サービスについては、運営会社の報告値を確認できる場合があります。
当サイトが確認した例では、ドライバー特化のサービスを運営する事業者が、無期雇用で就職した4,631人のうち364人(7.9%)が6か月以内に離職したと報告していました(ドライバーキャリアの記事)。
ただしこの数字は事業主全体の値で、ドライバー職に限ったものではありません。また事業者の自己申告であり、国が検証したものでもありません。
まとめ
- 自動車運転従事者の有効求人倍率は2.42倍。全職業(1.01倍)を上回ります
- ただし建設躯体工事7.85倍、保安5.85倍、介護3.70倍より低く、確認した中では中位です
- 一方で有効求人98,721件と規模は大きく、選択肢の数という点では上位です
- 倍率は労働環境を表す数字ではありません
数字は令和8年6月分(2026-07-31公表)を、2026-08-13に確認したものです。
出典
- 一般職業紹介状況(令和8年6月分)参考統計表 (2026-08-13 閲覧)
- 一般職業紹介状況(職業安定業務統計) (2026-08-13 閲覧)
最終更新:2026-08-13
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