「医療系の資格職は安定している」を、公的データで検算する

筆者は医療職ではありません。本記事は厚生労働省が公表している統計を確認・整理したものです。 このページに広告は掲載していません(広告掲載方針)。

臨床検査技師や診療放射線技師などが含まれる「医療技術者」について、厚生労働省の統計を確認しました。

倍率の水準よりも、前年からの動きのほうが際立っていました。
医療技術者 2.92倍 前年同月比で有効求人 +4.3%、倍率 +0.06ポイント
全職業の平均 1.01倍 前年同月比で有効求人 -3.4%、倍率 -0.04ポイント

有効求人倍率は2.92倍。全職業の1.01倍に対して約2.9倍です。

求人が「増えている」数少ない職種です

こちらが本題です。

全職業の有効求人は、前年同月比で-3.4%減っています。 そのなかで医療技術者は+4.3%。有効求人倍率も+0.06ポイント上がっています。

当サイトが前年比を確認できた10職種のうち、有効求人が増えていたのは3職種だけでした。

職業有効求人倍率求人の前年比倍率の前年差
医療技術者2.92倍+4.3%+0.06
製造技術者(開発を除く)0.72倍+2.9%+0.02
保健師,助産師,看護師1.86倍+0.4%-0.01
製造技術者(開発)1.81倍-0.1%-0.01
社会福祉専門職業従事者2.28倍-0.5%-0.09
建築・土木・測量技術者4.96倍-0.7%-0.02
情報処理・通信技術者1.33倍-5.7%-0.16
事務従事者0.35倍-6.8%-0.04
一般事務従事者0.28倍-7.1%-0.03
会計事務従事者0.56倍-7.9%
職業計(全体)1.01倍-3.4%-0.04

厚生労働省「一般職業紹介状況(令和8年6月分)参考統計表」(令和8年6月)。当サイトが前年比まで確認できた職種のみ。ここに無い職種は前年比を取得していないもので、増減が不明という意味です。

求人が増えた3職種のうち、有効求人倍率まで上がったのは2職種(医療技術者、製造技術者(開発を除く))です。求人が増えても求職者がそれ以上に増えれば、倍率は上がりません。

参考までに、同じ医療分野の保健師・助産師・看護師は倍率-0.01ポイント、ITエンジニアは-0.16ポイントでした。

水準そのものは中位です

  • 建設躯体工事従事者 7.85倍
  • 土木作業従事者 5.97倍
  • 保安職業従事者 5.85倍
  • 建築・土木・測量技術者 4.96倍
  • 建設・採掘従事者 4.80倍
  • 機械整備・修理従事者 3.81倍
  • 介護サービス職業従事者 3.70倍
  • 医療技術者 2.92倍
  • 自動車運転従事者 2.42倍
  • 接客・給仕職業従事者 2.30倍
  • 社会福祉専門職業従事者 2.28倍
  • 飲食物調理従事者 2.19倍
  • 営業職業従事者 2.01倍
  • 保健師,助産師,看護師 1.86倍
  • 製造技術者(開発) 1.81倍
  • 情報処理・通信技術者 1.33倍
  • 製造技術者(開発を除く) 0.72倍
  • 会計事務従事者 0.56倍
  • 事務従事者 0.35倍
  • 一般事務従事者 0.28倍
  • 職業計(全体) 1.01倍
職業別の有効求人倍率。厚生労働省「一般職業紹介状況(令和8年6月分)参考統計表」(令和8年6月/常用・パート含む/全国計)。2026-08-13に当サイトが確認。

2.92倍という水準は、建設や警備、介護より低い位置です。「最も足りない職種」ではありません。

ただし当サイトが見ているのは1か月分の断面です。水準の高さと、方向の違いは分けて見る必要があります。 この職種は水準が中位でありながら、方向は上向きという組み合わせになっています。

この検算の限界

  • 1か月分の比較です。 前年同月比が1回プラスだったことと、長期の傾向は別です
  • 「医療技術者」は複数の資格職をまとめた区分です。 臨床検査技師、診療放射線技師、臨床工学技士などが含まれ、資格ごとの需給は分かりません
  • ハローワークの数字です。 医療機関の採用は縁故や学校経由も多く、市場全体を表すものではありません
  • 倍率は求人の中身を反映しません。 給与、勤務地、常勤・非常勤の別は含まれていません

まとめ

  • 医療技術者の有効求人倍率は2.92倍。全職業(1.01倍)の約2.9倍です
  • 全職業の求人が前年比-3.4%減るなか、この職種は+4.3%と増えています
  • 有効求人倍率も+0.06ポイント上昇。当サイトが前年比を確認した10職種のうち、倍率が上がったのは2職種だけです
  • ただし水準そのものは中位で、「最も足りない職種」ではありません
  • 1か月分の比較であり、長期の傾向を示すものではありません

数字は令和8年6月分(2026-07-31公表)を、2026-08-13に確認したものです。全職業の一覧は職業別の有効求人倍率にあります。

出典

  1. 一般職業紹介状況(令和8年6月分)参考統計表 (2026-08-13 閲覧)
  2. 一般職業紹介状況(職業安定業務統計) (2026-08-13 閲覧)

最終更新:2026-08-13

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