「接客・給仕は人手不足」を、公的データで検算する

まず、この記事の要点

接客・給仕職業従事者の有効求人倍率は2.30倍。有効求人7万6,566件に対して有効求職3万3,322人です。パートを除くと1.62倍、新規求人倍率は4.12倍から2.69倍へ下がります。飲食物調理2.19倍と並べて確認できます。

根拠と詳しい説明へ

筆者は接客・給仕の仕事をしていません。本記事は厚生労働省が公表している統計を確認・整理したものです。 このページに広告は掲載していません(広告掲載方針)。

飲食店に続いて、飲食店のホールや旅館・ホテルの接客など「接客・給仕職業従事者」の需給を確認しました。小売店の販売員は「販売従事者」という別の区分にあたり、この数字には含まれていません。

接客・給仕職業従事者 2.30倍 有効求人76,566件 ÷ 有効求職33,322人
全職業の平均 1.01倍 有効求人2,020,228件 ÷ 有効求職2,002,441人

有効求人倍率は2.30倍。全職業の1.01倍に対して約2.3倍で、求人のほうが多い状態です。

ただし当サイトが確認した20職種の中では10番目。ちょうど中位で、飲食物調理従事者(2.19倍)に近い水準です。

接客・給仕職業従事者の有効求人倍率は2.30倍。全職業1.01倍・飲食物調理2.19倍と並べて確認できます

  • 建設躯体工事従事者 7.85倍
  • 土木作業従事者 5.97倍
  • 保安職業従事者 5.85倍
  • 建築・土木・測量技術者 4.96倍
  • 建設・採掘従事者 4.80倍
  • 機械整備・修理従事者 3.81倍
  • 介護サービス職業従事者 3.70倍
  • 医療技術者 2.92倍
  • 自動車運転従事者 2.42倍
  • 接客・給仕職業従事者 2.30倍
  • 社会福祉専門職業従事者 2.28倍
  • 飲食物調理従事者 2.19倍
  • 営業職業従事者 2.01倍
  • 保健師,助産師,看護師 1.86倍
  • 製造技術者(開発) 1.81倍
  • 情報処理・通信技術者 1.33倍
  • 製造技術者(開発を除く) 0.72倍
  • 会計事務従事者 0.56倍
  • 事務従事者 0.35倍
  • 一般事務従事者 0.28倍
  • 職業計(全体) 1.01倍
職業別の有効求人倍率。厚生労働省「一般職業紹介状況(令和8年6月分)参考統計表」(令和8年6月/常用・パート含む/全国計)。2026-08-13に当サイトが確認。

接客・給仕は、倍率そのものより別の数字で当サイトが確認した中の1位になります。

パートを除くと1.62倍、新規求人倍率は4.12倍から2.69倍へ下がります

パートを除く有効求人倍率 1.62倍 有効求人28,604件 ÷ 有効求職17,710人
新規求人倍率(パート含む) 4.12倍 その月に新しく出た求人と求職者の比。全職業は1.98倍

有効求人76,566件のうち、パート求人を除くと28,604件まで減ります。差は47,962件で、求人の63%がパートの求人ということです。

パートを除いた倍率は1.62倍。-0.68ポイントの変化で、当サイトがパートの有無で倍率を比べた記事で確認した20職種の中で最も下げ幅が大きい職種でした。

新規求人倍率でも同じ傾向です。4.12倍から2.69倍へ、-1.43ポイント下がります。新規求人倍率でも確認しましたが、有効・新規のどちらで見ても下げ幅は大きいほうでした。

パートを除いて倍率が下がる職種は、20職種のうち4職種だけです。下げ幅の大きい順に、接客・給仕職業従事者(-0.68ポイント)、飲食物調理従事者(-0.33ポイント)、介護サービス職業従事者(-0.28ポイント)、会計事務従事者(-0.04ポイント)。

このうち飲食物調理従事者と介護サービス職業従事者は、接客・給仕と同じ大分類「サービス職業従事者」に属する隣接区分です(この統計の職業区分は平成21年12月改定の日本標準職業分類に基づきます)。介護サービス職業従事者の有効求人倍率は3.70倍で、パートを除くと3.42倍。接客・給仕ほどではありませんが、同じ向きに動きます。パートを除くと倍率が下がるという動き方は、接客・給仕だけのものではありません。

有効求人76,566件のうち47,962件がパートを含む区分。業態別の内訳は分かりません

当サイトが確認できるのはここまでです。「接客・給仕職業従事者」という区分には、飲食店の接客・給仕、旅館・ホテルの接客、身の回りの世話など、パートタイムでの募集が多い業態が幅広く含まれています。

区分の内訳(どの業態が何件を占めるか)までは、この統計から分かりません。パート比率が高いこと自体は事実ですが、その理由をこの数字だけで説明することはできません。

有効求人76,566件に対して、有効求職は33,322人です

倍率は中位でも、規模は大きい職種です。

有効求人76,566件、有効求職33,322人。飲食物調理従事者(有効求人111,078件)と近い規模で、求人・求職の両方が多い職種という点でも共通しています。

探している側の人数も、パートの有無で変わります。有効求職33,322人のうち、パートを除くと17,710人。差は15,612人で、求職者の47%にあたります。求人側の63%より小さい割合です。

倍率は求人÷求職なので、分子(求人)のほうが分母(求職)より大きくパートに寄っているぶんだけ、パートを除いたときに倍率が下がります。2.30倍から1.62倍への-0.68ポイントは、この差の結果です。ただしこれは比の形からの読み取りで、個々の求人が埋まったかどうかを追った数字ではありません。

この検算の限界(4点)

  • 倍率は労働条件を表しません。 給与、勤務時間、深夜勤務の有無は含まれていません
  • 「除パート」は「正社員」ではありません。 常用(除パート)はパートタイムを除いた常用求人という意味で、雇用形態が正社員だけの求人とは限りません
  • 「接客・給仕職業従事者」は幅広い業態を含む区分です。 飲食店の接客・給仕、旅館・ホテルの接客、身の回りの世話などが1つの数字にまとまっており、業態別の内訳は分かりません
  • ハローワークの数字です。 求人サイトやアルバイト情報誌経由の募集は含まれません

まとめ:有効2.30倍・除パート1.62倍・新規4.12倍

  • 接客・給仕職業従事者の有効求人倍率は2.30倍で、当サイトが確認した20職種中10番目と中位です
  • 有効求人の63%がパートの求人で、パートを除くと1.62倍まで下がります
  • この-0.68ポイントという下げ幅は、当サイトが確認した20職種の中で最も大きいものです
  • 新規求人倍率で見ても同じ職種が大きく動きました(4.12倍 → 2.69倍)
  • 有効求人76,566件に対して有効求職33,322人。求人・求職とも規模の大きい職種です
  • 「倍率は中位」という一言だけでは、この職種の求人の性格は説明できません

数字は令和8年6月分(2026-07-31公表)を、2026-08-13に確認したものです。

出典

  1. 一般職業紹介状況(令和8年6月分)参考統計表 (2026-08-13 閲覧)
  2. 一般職業紹介状況(職業安定業務統計) (2026-08-13 閲覧)

最終更新:2026-09-14

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