転職エージェントが無料なのはなぜか。誰がいくら払っているか
筆者は本記事で扱うサービスを利用していません。本記事は公開情報を整理したものです。 このページに広告は掲載していません(広告掲載方針)。
転職エージェントは、利用者からお金を取りません。求人の紹介も、面接の調整も、年収の交渉も無料です。
では誰が払っているのか。採用した企業です。 採用が決まると、企業がエージェントへ紹介手数料を払います。
ここまでは多くの記事に書いてあります。ただ、いくら払っているのかまで書いてある記事はあまり見かけません。実はこれは国に報告されていて、誰でも確認できます。
実際の割合は10.8%から33.0%
有料職業紹介事業者は、職種ごとの「手数料実績率」を厚生労働省へ報告することになっています。これは実際に受け取った手数料が、その人の賃金に対して何%だったかを表す数字です。
当サイトが確認した78件の報告値は、10.8%から55.5%の範囲にありました。平均すると27.8%です。
| 職種 | 確認した報告値 | 低いほう | 高いほう |
|---|---|---|---|
| 保育士・幼稚園教員 | 25件 | 19.8% | 33.0% |
| 施設介護の職業 | 17件 | 19.1% | 30.0% |
| 看護師、准看護師 | 10件 | 10.8% | 28.3% |
年収400万円の人が転職した場合、20%なら80万円、30%なら120万円が企業からエージェントへ支払われる計算になります。転職1件でこの金額が動きます。
一番低かったのは10.8%
当サイトが確認した中で最も低かったのは、株式会社ナースパワー人材センターの10.8%(看護師、准看護師)でした。同じ職種の他社が22〜24%で並ぶなかでの数字です。
最も高かったのは株式会社ブリッジワンの55.5%(建築・土木・測量技術者)です。
同じ職種で3倍近い開きがあります。この違いがどこから来るのかは、この数字だけでは分かりません。派遣を併営しているか、扱う施設の種類、地域など、複数の事情が考えられますが、いずれも当サイトの推測です。
求職者にとって、これは何を意味するか
直接の負担はありません。 手数料が高いサービスを使っても、利用者の支払いは変わりません。
そのうえで、知っておくと理解しやすくなることが2つあります。
1. エージェントの収入は「採用が決まったとき」に発生する
相談だけでは1円にもなりません。面談や書類添削に時間をかけてもらっても、決まらなければ収益はゼロという構造です。
これは求職者にとって良い面と悪い面の両方があります。良い面は、無料で手厚い支援を受けられること。もう一方は、決まりやすい求人を勧める動機が生まれうることです。
当サイトが数え直した口コミの中にも、特定の企業を強く勧められたという趣旨の投稿がありました。ただし、それが実際に手数料の構造によるものかどうかを当サイトは確認できません。
2. 返戻金制度がある事業者がいる
返戻金制度は、紹介した人が早期に退職した場合に、手数料の一部を企業へ返す仕組みです。人材サービス総合サイトで「有」「無」が公開されています。
制度がある場合、エージェント側にも早期離職を避ける金銭的な動機があることになります。ただし制度の有無と実際の対応が一致する保証はありません。
自分で確認する方法
- 厚生労働省「人材サービス総合サイト」を開く
- 「許可・届出事業所の検索:職業紹介事業」へ進む
- 「詳細な検索条件」を開く
- 「法第32条の16 第3項に関する事項(情報提供)その②」で職種を選び、手数料実績率を 0%〜100% にする
- 都道府県で「全国」を選んで検索する
この絞り込みをかけると、手数料実績率を報告している事業者だけが一覧に残り、各社の割合が表示されます。
なお、この操作をしないと手数料実績率の列は表示されません。事業主名で普通に検索しただけでは出てこないので、詳細検索から入る必要があります。
注意点
- 自己申告の値です。 事業者が報告したもので、国が検証したものではありません
- 職種ごとの値です。 同じ会社でも職種によって違います。当サイトが確認した中にも、保育で26.5%、介護で23.1%という会社がありました
- 個別の案件の手数料ではありません。 その事業者の実績の平均です
数字はいずれも令和8年8月1日現在の報告値で、2026年8月12〜13日に確認したものです。
各サービスの手数料実績率は、個別の記事にも記載しています。
出典
- 職業紹介事業所検索(人材サービス総合サイト) (2026-08-13 閲覧)
- 職業紹介事業の運営に関する情報提供(職業安定法) (2026-08-13 閲覧)
最終更新:2026-08-13
当サイトは求人情報の提供・職業紹介・応募の取次ぎを一切行いません。 また、個別の法律相談・労務相談への回答も行いません。 具体的な労働問題については、弁護士、社会保険労務士、労働基準監督署、 総合労働相談コーナーなど権限のある窓口へご相談ください。